登場人物 - 男

天宮更夜 / 王宮のお触れ / 雪月花

 法学部。笑うことに失敗したような笑みを浮かべている。糸目。幼少の頃からずばぬけて頭の回転が良く、ライバルらしいライバルに出会わなかったせいか、他人の意見を軽視し、自分の信念や理論を貫き通す傾向がある。自己流の弁論術は「多く喋ったほうの勝ち」が基本。言質や揚げ足を取って攻める姿は、後輩を中心にマニアックな人気がある。読みの深さとポーカーフェイスが最大の武器。
 デッキ名は『パーミッション』だが、その実態は『お触れビート』+パーミッションとずるがしこい一面も持つ。使用カードは『終焉のカウントダウン』、『王宮のお触れ』、『ザボルグ』、『パーシアス』など。



科白集

「その意見は一概には正しいとはいえない。いや聞け。いいからオレの話を聞け。てめえのそのおがくずみてえな頭じゃわからんだろうが跪いて地面に額こすりつけながら拝聴しろ。そもそもお前がさっき言及した解釈は一般的には正しいが、それはパロール的な解釈であって、判例が生まれた当時のエクリチュールを鑑みる限りではむしろ逆の意味と取れなくもない。いや黙れ。いまオレが話してるんだから黙れミジンコ。さっきお前は法律の解釈は時代に合わせるべきだと言ったな? 言ったよな? よろしい。しかしだ。そもそも司法というのは三権分立のなかでも特殊な立ち位置にある機関であって、法の解釈というのは、その性質上、原理主義的な選択を……」
「デュエルをする理由か。ふむ。それは一人のデュエリストとしてという意味か? それとも法律畑のデュエリストの今後の展望を訊きたいのか? あるいは日本の将来を担う一人の若者としての立場から……まて、もういいとはどういうことだ。人の話を聞かないか。いいか、そもそもデュエリストのレーゾンデートルには二種類あり、アポロ的なものとデュオニソス的な……ありがとうございましたとは何だ。まだ話は終わっていないぞ。ソクラテスも指摘したとおり……」
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